受験生や医学生を中心に長く支持を集めてきた 藤白りりさんが、3年ぶりにYouTubeへ復帰した。最新動画「お久しぶりです」では、自身がこの春から美容外科医として働くことを明かし、その理由やこれまでの葛藤を率直に語っている。
大きな進路変更である一方、自分の適性や働き方を見つめ直した末の決断として説明されていた。
りり(藤白りり)先生とは
藤白りりさんは、YouTubeで受験勉強法や学習系コンテンツ、雑談系動画などを発信してきた人気クリエイターで、チャンネル登録者数は約19.3万人。チャンネル上の過去動画には、受験勉強、医学生生活、メンタル、学習法などに関する内容が並び、多くの視聴者に親しまれてきた。
東京医科歯科大学(現、東京化学大学)卒業で、現在26歳。
大学2年生の頃にYouTubeを始め、大学5年生の時に「医療に集中したい」としていったん活動を終えていた。
美容外科医の道へ
今回の動画で藤白りりさんは、自身がこの4月から美容外科医として働くと明言し、従来イメージされやすい保険診療のキャリアとは異なる進路を選んだことを公表した。
日本の医師キャリアでは、医師免許取得後に原則2年間の初期臨床研修を受け、その後、専門医取得を目指す場合は希望する領域の専門研修へ進むのが一般的だ。臨床研修修了後に専門研修へ進み、主に3〜5年程度の研修を経て専門医認定試験に合格すると専門医資格を得られる。
つまり、医師のキャリアにはある程度の標準的なルートが存在する。
各科(外科、内科など)専門医を名乗るには、このルートに乗る必要がある。
一方で、初期研修後に保険診療の専門領域へ進まず、美容医療など自由診療の分野へ進む医師もいる。
YouTubeで語られている理由について
動画の中で藤白りりさんは、もともと消化器内科医や皮膚科医を志していたとしつつ、実際に働く中で「保険診療医としての働き方は自分には合わない」と感じたと説明している。
具体的には、理由を「診療内容」と「職場環境」に分けて述べている。
診療内容の面では、高齢者医療に向き合うなかで、病気の治療と本人の幸福が必ずしも一致しない場面に葛藤を抱いたこと、また生活習慣病の診療では、医療者側の努力だけでは改善しきれない現実に無力感を覚えたことを挙げた。
職場環境については、保険診療を支える大病院勤務で体力面の負荷が大きかったこと、努力や工夫が給与や評価に見えやすい形で反映されにくいと感じたこと、そして決められたキャリアレールの上を進む感覚が自分には合わなかったことを、率直な言葉で話している。
その上で、美容医療については、自身が肌トラブルに悩んだ経験から患者の悩みに共感しやすいこと、指名制や成果が可視化されやすいこと、SNS発信との親和性が高いことなどから、「この道なら本気で頑張れる」と考えるようになったと述べた。
また、美容業界には不透明さや信頼性の課題もあるとした上で、「誠実で正しい美容医療をしたい」「信頼性の低さや不透明さを少しでも改善していける存在になれたら」とも語っている。
平均年収の比較
医師の収入比較は単純ではないが、マイナビDOCTORの記事では、勤務医全体の平均年収は1,436万4,700円と紹介されている。
一方で、美容外科医については、初任給から2200万円〜であることが多く、求人を確認しても、年収2,200万円〜4,500万円程度で募集されているなど、保険診療と比較すると高収入なのがわかる。
保険診療に進む場合、研修医終了後の医師3年目としての一般的な収入は東京都内では、多くて1000万円程度、田舎へ行っても良くて1500万円程度のことがおおい。
その上、保険診療では時間外労働を多く行なった上で、上記の収入なのに対して、美容外科業界では基本的には予約制であるため、多くの時間外労働が行われることはない。
りり先生なら年収1億円も夢ではない
美容外科・美容医療の分野では、高い技術力、指名、SNS発信力、ブランディング、集患力がそろうことで高収入を実現する。
その意味では、すでに大きな発信基盤を持ち、受験生・医学生時代から積み重ねた知名度と信頼を持つ藤白りりさんが、美容医療の現場で実績を積み、さらに発信力を活かしていけば、年収1億円を超える高収入に到達する可能性は十分ある。
集客が経験数につながり、経験数が集客に繋がるという良い流れができてくるため、そうなれば年収1億円は夢ではないと思われる。
保険診療の世界では常勤先と、バイトと言われる外勤を含めても2000万円程度が上限となるため、非常に夢がある世界ではある。
直美が増えている
近年、初期研修修了後に直接美容クリニックへ進む、いわゆる「直美(ちょくび)」が注目されている。
また、報道ではその増加傾向も繰り返し取り上げられており、TBS NEWS DIGでは「10年で12倍」といった表現で、直美医師の急増が紹介されている。
東洋経済も、美容医療に従事する若手医師、とりわけ研修直後にこの分野へ進む医師が急増していると報じている。
しかし、大切なのは、「直美=悪」と単純化しないことだろう。
制度面、医療現場の人手不足、労働環境、報酬体系、若手医師の価値観の変化など、複数の要因が絡み合っているためだ。今回の藤白りりさんの動画も、まさにそうした構造の中で、自身の適性や働き方を考えた結果として読むべき内容だ。
保険診療の世界では、休日も病棟回診や緊急手術、学会発表などの学術活動など、時間外労働が当たり前の世界で、頑張っても給料に反映されるのはごくわずか。
今のタイパを考える若者にとっては、相当な気概がなければ保険診療でガツガツやっていくことは難しいかもしれない。
まとめ
藤白りりさんの美容外科医への進路変更は、単なる話題性だけで片づけられないニュースだ。
受験・医学生YouTuberとして知られてきた人物が、医師となった後に保険診療の現場を経験し、その上で美容外科医という新たな道を選んだ。その理由は、動画を見る限り、誰かを否定するものではなく、自分の適性、働き方、やりがい、発信との相性を総合的に考えた結果として説明されている。
医療界では今、直美の増加や保険診療の人材確保、自由診療の透明性など、複数の論点が交差している。
そんな中で、藤白りりさんが今後どのように「誠実で正しい美容医療」と情報発信を両立していくのかは、単なる個人の進路以上に、多くの人にとって関心の集まるテーマになりそうだ。








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